月別アーカイブ: 2016年10月

私の風船に対するこだわり

こんにちは。

最近、バルーンアートというと、細長い風船の方が主流になっている。細長い風船は表現方法が多様にわたり、無限大の作品を創り出せる。

しかし、その主流はキャラクターだったりする傾向が多い。いかにそれに近いものをつくるか…

こうなると手先の器用さがものを言う。

正直言う。

おそらく私は、日本で風船に携わる人たちの中で、一二を争う不器用さではないか。

2013年の春ごろの話。私が鬱に苦しんで、ヘリウムガスは払底状態が続き、引退を真剣に考えていたころのことである。私は「職業適性検査」なるものを「職業センター」で受けてみた。すると…

手先の器用さが求められる仕事には不適

との判定が出た。バルーンデコレーターは「職業として適していない」という結論になったのである。しかも私は自閉症の傾向があり、コミュニケーション能力にかなりの問題があると診断されている。それも先天的なものに原因があり、加えて両親は子供の人生に自分たちの価値観を押し付ける傾向のある「毒親」。「アダルトチルドレン」の傾向もあるといわれた。

手先が不器用、自閉症傾向(=発達障害)、アダルトチルドレン…

ありとあらゆる悪条件を抱えていたことになる。

そのような悪条件をどうして克服できたのか…

「好き」という思い。

ただそれだけである。

そのような私が創り出す風船の作品、一定の傾向があるように思える。

三次蔵プロジェクトの作品たち

三次蔵プロジェクトの作品たち

これは2007年から2016年まで10年続いた「三次蔵プロジェクト」での私の作品。リンコルーンを使ったり、ツイストバルーンを使ったり、いろいろやってみた、特に初期は。2015年はバルーンドレス制作にチャレンジした。そして今年…私は丸い風船で勝負した。

風船の持つ暖かさ、優しさ…これを思う存分生かす作品に今年は仕上げた。大正初期建築の廃屋(今後リノベーション予定)を風船でまるごと飾ってみた。使った風船は16インチと11インチのラウンドバルーンのみ。そのうち11インチはすべてドット模様のバルーンにした。そしてこれに途中から6インチのハート(ライブで私がスパークさせたスパークバルーンのハート)とツイストバルーンで作ったパラソルを加えた。

ツイストバルーンのパラソル

ツイストバルーンのパラソル

パラソルは建物の外に括り付けた。

11インチのドット模様入りバルーン kimg3757v

11インチのバルーンは天井に飾ってリボンを垂らした。

kimg3687v  kimg3721v kimg3692c

圧巻は16インチのバルーンを高さをバラバラにして浮かせた作品。

半透明とそうでない風船を交えて、高さをバラバラにして浮かせた。

さらにイベントの所々でスパークバルーンをはじけさせ、1回あたり約60個、合計300個の小さなハートの風船が舞い降りたり、舞い上がったりした。

舞い降りた風船とハイポーズ

舞い降りた風船とハイポーズ

風船が舞う瞬間、子供たちも大人たちも目を輝かせた。

そして…

クライマックスのバルーンリリース

クライマックスのバルーンリリース

10年分の想いを乗せて舞い上がる

10年分の想いを乗せて舞い上がる

バルーンリリース。

奇跡的にその瞬間だけ雨が止んだ…

これらの作品を通して、私が何を言いたいのか…

そう、これらの作品はギャラをいただいて制作したものではない。一種の芸術表現である。

それゆえ、私が一番表現したいものを創り上げた。

私が風船を通して表現したいもの…それは

風船の持つ楽しさ、美しさ、そして華やかさをそのまま表現し、それに接する人たちにいつまでも心に残る幸せな思いをもたらしたい

ということなのである。

すでに何度も私はブログなどで述べてきた。

くす玉のような存在になりたい…

その思いを私は前述した障害を克服して実現している。その思いを一冊の小冊子にまとめたのが

くまさんのげんきだま

という本。

この本については、電子書籍として配布する予定は当面ない。今勤務している会社において同じような障害に苦しむ人たちに配布し、私の体験を話す際に使う目的で制作したのがそもそもの発端。

いずれは講演の機会があるかもしれない。その際に配布する予定である。

そして、私の作品は一貫している。私が生命を吹き込むすべての風船たちには

風船の持つ楽しさ、美しさ、そして華やかさをそのまま表現し、それに接する人たちにいつまでも心に残る幸せな思いをもたらしたい

という私の気持ちが吹き込まれているのである。

 

 

価値観の違い…越えられない壁

こんばんは。

三連休、正直遠出したくなる天気でしたが、自重せざるを得ませんでした。

車検でお金がかかるのです…というより、バルーンの大型プロジェクトがこれから11月中旬にかけて連続するのです。加えてブライダルも所々で…

バルーンのことを忘れて過ごしたかったのですが、できたのは初日だけ。

さて、先日このようなサイトを見つけました。

ソウス「一瞬で5万円も!?」

実はバルーンリリースの良い所って1つしか無いんですよ。

それは、

写真にすると凄くキレイ!

という点です。実際にブライダルカメラマンでしたので分かります。フォトアルバムの背景にできるくらい青い空と赤いハート風船・カラフルな風船のカラーは素敵です。

それ以外にメリットはありません。飛ばして終わりですから。キャンドルサービスや別の演出のように時間を延ばす効果はゼロ。挙式後の気持ちに華やかさを残す演出だと思って下さい。

私は自分の結婚式でバルーンリリースはしませんでした。バルーンリリース写真の素晴らしさを知りながら行わなかった理由は以下の2つです。

他の演出に比べて高い

一瞬で終わるのに値段が高いんです。

バルーン1つがおよそ700円。50~60名のゲストだと5万円必要です。

もし、新郎新婦用の大きなバルーンを追加するのなら7万円になります。7万円あればタワー式のウェディングケーキや披露宴での生演奏音楽を追加できます。

バルーンリリースは意外に盛り上がりません。また、ゲストは風船を撮影するため、バルーンリリース中の新郎新婦の姿は見ていません。

天候に左右される

バルーンリリースは青空だから美しいんです。曇りだと写真も悪くなります。

最悪なのは雨と雪。もちろん中止になります。代わりに披露宴でのバルーンサービス(キャンドルの代わりに大きなバルーンを割る演出)となりますが、これには5万円も払う価値はありません。披露宴内ならキャンドルサービスや光を使った演出の方が盛り上がるからです。

専門式場やレストランウェディングでは会場が狭いため、バルーンリリースそのものを行えない可能性もあります。

引用ここまで

2012年秋以降のヘリウムガス払底を引き金にヘリウムガスの価格が高騰し、2013年冬以降にカタール産のヘリウムガスが入るようになって流通が安定しても価格は高止まり。2013年秋にも一時的に払底が起きていたようです。その結果結婚式におけるバルーンリリースは「費用対効果」の問題が起きて、激減してしまいました。

5万円払うなら、もっと価値のあるバルーン演出を創り出すべきでしたし、現にそれに取り組んだバルーンデコレーターさんもいました。5万円、10万円、あるいはそれ以上出す価値のあるいつまでも心に残るような感動的なバルーン演出を提供することを目指すべきだったのです。

私は旧Y’s Dream末期、2012年秋から2013年夏にかけて、本当にゲストの皆さんを感動させたい新郎新婦様のためにのみバルーン演出を提供していました。その金額は大半が10万以上でした。それでも複数のカップル様からご注文をいただきました。

しかしニッチすぎて市場が成り立たず、加えてバルーンの主流がツイスティングとギフトに移り、バルーンの立ち位置が変化してしまい、コミュニケーション能力にハンデのある私は立ち位置を失って引退に追い込まれました。

ところが2015年から少しずつ状況が変化し、加えて障がいのある若者の就労に私が長年取り組んできたバルーンの経験が生きることが分かり、形を変えて再開しています。

私が取り組んできたことは

いつまでも心に残る感動の瞬間を創り上げること

でした。

そのために10年以上にわたって風船に生命を吹き込み続けたのです。

バルーンリリースはそれ自体、いつまでも心に残る感動の瞬間なのかもしれません。

バルーンデコレーションに接すること自体、いつまでも心に残る感動の思い出になるかもしれません。フォトブースの作品が増えているのもそれだからでしょう。

しかし、それに更なる驚き、サプライズを加えることによって、本当にいつまでも心に残る感動を創り出せるのです。

私は今、再び風船に携わっています。

風船を通してどのような価値を生み出すことができるのか?

価値を生み出せないのなら、そのまま完全に身を引くのが正解だったということになります。

だからこそ、何らかの価値を生み出さなければいけないのです。それが障がい者福祉の面であったとしても、あるいはバルーン演出の新境地の開拓だったとしても。だから私は自らの生い立ちを一冊の小冊子にまとめたのです。

くまさんのげんきだまの一部 

くまさんのげんきだま表紙