おはようございます。珍しい朝の更新です。
ただいま「介護職員初任者研修」の学科試験(難関になるとみていた実技試験は何とかクリアできた)の準備のため、バルーンは一時休業中です。が…どうしても今日は皆さんに知っていただきたいことがあり、述べさせていただきます。
皆さんは、このマークをご覧になられたことがあるでしょうか?
このマークは聴覚保護マークと呼ばれるもので、2017年の10月ごろに考案されたものなのです。
詳細についてはリンク先のほうをご覧いただくとして、実は私にとっては切っても切り離せない問題があるのです。
ASD(いわゆる「アスペルガー症候群」)の障がいを抱える人のうち約20%が聴覚過敏を抱えている、といわれています。私も実はその一人なのです。この障がいを緩和するため、ヘッドホンらしきものをつけている人がいますが、これを理解していただくためのマークなのです。障がい緩和のために着けているにもかかわらず、周囲から「音楽を聴いているの?」という誤解が多発したため、考案されたものだそうです。それこそこのマークが考案されて、まだ周知されていない時期に、私は聴覚過敏の問題で悩んでいました。
これは2年前の「夢フェスタ」というイベントでのバルーンです。問題になったのが右側の赤い大きなバルーン。
この年のアンケートで「大きな風船はやめてほしい」という意見が多数寄せられました。とあるところからの意見が集中したので、そこの管理者様及びスタッフ様から話を聞くと、どうもそこ(とある放課後等児童デイサービス事業所)には複数の聴覚過敏を抱える子どもたちがいたようでした。
私は悩み、次の年(すなわち昨年)の同じイベントでは対策を立てました。それがこちら。
このように、聴覚過敏の問題とスパークバルーンの関係は切っても切り離すことができないものです。
かくいう私も、実は風船の割れる音が大の苦手でした。くす玉がテレビに出てくると逃げるほどでした。ところがそれがとあるきっかけで反転し、今では日本でも屈指のくす玉好きとなり、それが高じてバルーン演出を20年以上の長きにわたって手掛けるまでになったのです。
この理由はいまだに謎なのですが、いずれにせよくす玉のはじける瞬間に「もえ」、その結果数えきれないほどの感動の瞬間を生み出すアーティストになっていたのも事実なのです。その背後に自ら抱えるASDの障がい特性が影響していたのも事実です。
そういう経緯があったこともあり、私は聴覚過敏に対して「単なるトラウマの部類」と軽く考えていたのも事実でした。ところが、このような苦情多発という問題に直面し、いろいろ調べてみると、のっぴきならぬ問題が分かったのです。
…この「風船恐怖症」、100人中99人は単なるトラウマで、生活に支障となったりパニックを起こすほどではないもので、やがて克服されるものらしいです。ところが、最近になってPTSDを引き起こしたり、聴力を失うケースが報告されるなど、非常にまれながら医学・生理学的に危機的な状況が起きているそうなのです。加えて調べてみると、一種の脳生理学的問題で、極めてごくまれに風船を受け付けない一種のアレルギーに似たケースがあるらしいです。発達障がいの方で、子ども大人問わずそういうケースがある、という報告もあります。
似たようなケースで、犬恐怖症というものがあり、こちらは1000人中1人の割合でPTSDレベルになるケースがあるそうです。こちらも同じように発達障害が絡んでいるケースが多く、事実私はそうです…
このような脳生理学的な問題がある以上、風船の割れる音に対しては何らかの対策が必要で、現実問題撤収時は周囲に人がいる場合、極力音を出さないようにしています。
そして、風船の割れる音のような特定の不快な音に悩む人への対策として、イヤーマフが使われるようになりました。イヤーマフそのものは航空関係やカーレースおよび射撃などのスポーツといった騒音の大きな場所での支障にならないように使われてきましたが、聴覚過敏対策としても普及しつつあります。
イヤーマフについて詳細はこちら(りたりこ発達ナビのページにジャンプします)
ここまで書いてきて、私はあることを思い出しました…それは35年前(1984年)、私が中学生だった時のことでした。場所はお盆の長崎市です…そう、有名な
精霊流し
です。あの爆竹の音にすごい怖い思いをした記憶があります。
精霊流しの詳細については長崎の観光サイトあたりをご覧いただいた方がよろしいかと思うので省略しますが、とにかく余りの爆竹の音のすごさに恐怖さえ感じました…ほかにも同様に恐怖を感じていた親族がいたこともあり、私の父方の祖母が亡くなった際、精霊流しには参加しませんでしたし、初盆の時点ですでに長崎の家を引き払い、叔父を頼って東京へ移り住んでいました(父方の親族が長いこと私の父親以外全員首都圏にいたのはそのためですが、最近長崎へUターンした人がいました)。
話が全く関係のないところに行ってしまったので、元に戻しますが、風船の割れる音が脳生理学的に悪影響を及ぼす人がいるのも事実です。そういう人たちへの配慮が必要だと私も思います。とりわけ私は聴覚過敏によって犬や爆竹、さらにサイレンに過敏に反応する障がいを抱えていることもあり、さらにその障がい特性によって特定の才能に結び付き、それによって多くの感動を生み出すことができたという現実を抱えているだけに、その必要性を痛感しています。
余談…今年(2019年)の「夢フェスタ」、11月4日の振り替え休日に開催されるそうだが、いまだに内容が固まり切れていないらしい。チラシもようやく印刷に出した模様(しかも裏面については全くの情報ゼロ!)で、社内でも情報が周知徹底されていない模様。過去の「夢フェスタ」の準備状況、さらに今年私が中心となって開催した「ふうせんまつり~ゆめの国の宝さがし~」の準備状況と比較しても、明らかに遅れが目立ち、後手後手に回っている印象が否めない。昨年まで取りまとめ役として会社に所属しながら活動していた私から見ても、正直心配で、「大丈夫なのか?」と思わざるを得ない。一方では現在私もかかわっている別の組織がこの10月に「夢フェス」なるものを企画しているようだが、こちらの方が比較的早く準備が整いつつあるのが現状。このままでは「夢フェス」の代名詞が変わりそうな気がする。私は10月の「夢フェス」は別の仕事の関係で行くことができず、11月4日の「夢フェスタ」は昨年まで運営にかかわっていたこともあり、見に行くことにするが、少なくともこの舞台を目標にしてきた利用者様の想いを形にできるものにしてほしい。今年は一切風船の「ふ」の字も、バルーンの「ば」の字もびた一文出さないつもりで、完全なお客様として「採点」に行くつもりであるが、もし何の工夫も相違もなく、惰性でやっているような印象を受けたら、きつい警告レベルのメッセージを発するつもりである。