月別アーカイブ: 2022年12月

変化の時

こんにちは。

今日は2022年12月31日、大みそかです。

中国・武漢で2019年12月に発生した新型コロナウイルスは、全世界を変化と混乱の渦に巻き込みながら一巡してしまいました。一方、ロシアはウクライナに戦争を仕掛け、受けて立ったウクライナは予想を超える大健闘。一方ロシアは「ならず者国家」になってしまい、豊富な地下資源をもてあそぶ事態になってしまいました。

その影響は資源価格全般に及び、とりわけヘリウムガスはコロナ禍で流通が混乱していたところにロシアのウクライナ侵攻で需給バランスが崩壊してしまいました。価格的には2002年を1とすると2019年初頭は1.4だったのが、2020年には2になり、2021年には3になり、そして2022年12月には4倍になっています。3年間で3倍近い暴騰です。背景に世界的な需要急増によって争奪戦が起き、その結果「買い負け」が起きているため、この状態は定着するとみています。

まさに「ヘリウムガス入りゴム風船」が「サンマ」と同じ高級品に変わってしまいました。

正直言うと、

バルーンをやめてもいい

とさえ思い始めているのです。というより

若い世代、次の世代に譲りたい

というのが本当のところです。

続けたいのに続けられない状態になっていた10年前、2012年から2013年とは正反対の状況が起きています。

しかし、私が生命を吹き込んだ風船たちがどれだけの夢と希望と元気をもたらしてきたのかを考えると、安易に辞めるという選択はできません。ましてや私はこの2022年、「障がいがあっても自分らしく生きられる社会にしていきたい」という想いで「ミスターオブザイヤー2022」に挑戦し、幕張メッセの大舞台にまで立った人間です。「くまさんのげんきだま」という絵本仕立ての書物も創り、「バルーンセラピー」を商標化し、ASD・ADHDといった発達障がいに苦しむ人たちにとってあこがれの存在、ロールモデルにまでなっています。

10年前の状態…短期的には続けられない、しかし長期的にみれば続ける必要がある

今の状態…短期的には続ける必要がある、しかし長期的にみれば続けない方がよい

こうなると、立ち位置を変える必要が出てきます。

まず決めているのは、大幅な価格見直しです。ヘリウムガスを用いたバルーン装飾及び演出は大幅に値上げします。バルーンリリースおよびスパークバルーンは、最低でも5万円(消費税別)で設定します。

一方ヘリウムガスを用いないバルーン装飾なども増強はしますが、限界があります。

本当に最高の感動を生み出すことができる今、それだけの価値を提供するためには、それなりの対価をいただくことにします。

当然バルーンの仕事はウエイトが低くなります。というより、近い将来予想される親の介護まで考えると、バルーンの仕事のウエイトは低くしなければいけません。

一方再就職を目指す場合、これまで築き上げたバルーンアーティストとしてのキャリアが邪魔をします。10年前の再就職活動でも苦しめられました。徹底的な学習棄却が必要になりますが、この訓練機関が日本にほとんどありません。というか、皆無に近い状況です。

この現状を総合的に考えますと、

障がい者・障がい児のキャリア開発、職業教育の分野に進むべきではないか

と考えています。

バルーンアートの仕事は、ある意味地味な作業がほとんどです。私は作品たちのほとんどのゴム風船を一つ一つ「バルーンシャイン」という水性ワックスのようなものを塗ってコーティングしています。その作業は非常に大変です。風船一つ一つを膨らませるのと同じくらいの時間がかかります。しかし、その手間が風船に生命を宿らせ、輝きを放ち、たくさんの感動を生み出すのです。

※バルーンリリースなどの演出用バルーンには原則この作業はしません。

それ一つとっても、「この風船一つ一つがどれだけの人を感動させ、元気にするのか」という生きた教材になります。

また、今年は屋外に数日間ディスプレイする作品も多かったですが、この場合ゴム風船を二重にします。あるいはフィルム素材の風船の中にゴム風船を入れます。これも地味な作業です。しかしこれも想像以上に風船を長持ちさせるための工夫です。

そして最たるものが、スパークバルーンなどのバルーン演出です。最高の一瞬の感動を生み出すために費やす時間は莫大です。しかし、成功した時の達成感はもう何物にも代えがたいほど素晴らしいです。

これらの経験、体験を数えきれないほどしてきている私が伝えられることは

人を笑顔にすることができた時の達成感と高揚感

それがすなわち生きる力につながるのではないか

ということです。

私は2023年以降、この活動に重点を置きます。風船を極めたものとしてできること…はこれでしょう。

私がこれまでやってきたことを、

今後は将来を担う子どもたち、若者たちのために還元していきたい

です。