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そして、「新たな人生」へ…

こんにちは。

 

これは先日、2022年9月24日に幕張メッセ9番ホール(10000人規模のライブが開催可能な超大型ライブスペース)で開催された「ミスターオブザイヤー日本大会」での私のパフォーマンスの様子です。

たくさんの「おめでとう」と「ありがとう」に包まれる、幸せに満ち溢れた社会にしていきたい

そこは、障がいの有無にかかわらず誰もが自分らしく生きることができる社会。
みんなが高い自己肯定感を感じ、引きこもることなく楽しい日々を過ごすことができ、悲しい出来事が限りなく少ない明るく希望に満ち溢れた豊かで活力のある社会をつくりたい…

その想いを私は風船を通して伝えるというチャレンジに今回は挑んだのです。

以下はスピーチの内容です

「私には、アスペルガー症候群という発達障がいがあります。

しかし、本当に風船が好きでバルーンアーティストという職に就くことができ、たくさんの笑顔の華を咲かせることができました。

本当に好きなことを見つけ出し、それを極めることで、障がいがあっても、人(社会)の役に立てることを、自らの生き様を通して伝えていきます。

ありがとうございました!」

本当に好きなこと、それはすなわち、私にとってはズバリ風船でした。私は「風船に救われた」といっても言い過ぎではありません。

これは何度かお話ししたかもしれませんが、私はくす玉のはじける瞬間がたまらなく好きで、それを自らの手で創り上げたくなり、バルーンアーティストとして歩み始めたのです。これが25年前、1997年のことです。それから紆余曲折を積み重ねるとともに、数えきれない風船たちに生命を吹き込み続けました。

その裏では、発達障がいゆえに越えられない壁に苦しみ、理解のない両親に苦しみ、その他ありとあらゆる苦しい思いをしてきました。10年前にはうつを発症し、一度は廃業に追い込まれました。それでもそこから這い上がり、3年前には「ふうせんまつり」を成功させました。「くまさんのげんきだま」なる子ども向けの小冊子も制作しました。

その経験をいかにして次の世代に伝えるか…と考えていたところに、「ミセスオブザイヤー」の男性版があるらしい、という話を聞きつけ、今年1月にチャレンジを決断。決して安くはない投資に踏み切りました。

ウオーキング、ポージング…私は到底勝負できません。ファッションセンスもゼロです。その私はスピーチとパフォーマンスで勝負する選択をし、結果西日本大会では「ベストインフルエンサー賞」なる賞を受賞して日本大会進出を決めました。

日本大会までの2か月余は試練の連続でした。財政難、両親との確執再燃、そしてコロナ感染…正直、辞退寸前まで追い込まれました。しかし「何としてでも私の想いを幕張メッセの大舞台で伝えたい」という強い思いで乗り越え、幕張入りしました。幕張入り後も、「進行の妨げにならないスパークバルーン」をギリギリまで模索して、ようやく前々日の夜に答えが出ました。

日本大会は、「西日本大会もやっとの思いで受賞できて、ここまでたどり着けた。かなりのハイレベルな戦いになるはずだ。全力を出し切れば、入賞できなくてもいい。私の想いが伝われば、それでいい」という想いで臨みました。結果、入賞はかないませんでしたが、私の想いは日本中に伝わりました。それを確信したのがアフターパーティーで、多数のファイナリストから頂いた声でした。

「入賞者と比べても全く劣らない、素晴らしいステージとスピーチだった」
「元気の出る、生きる希望になったスピーチだった」
「あのバルーンは最高だった」
「感動した!」

このような声をたくさんいただきました。私はとてつもなく大きなくす玉を華開かせることができた、と思いました。

バルーン業界は世界情勢の変化に伴う輸入価格高騰とヘリウムガス不足、市場環境の変化に伴う需要の変化と供給過剰と、厳しい業況に今現在置かれています。このままではジリ貧は避けられず、近いうちに大幅な見直しを迫られるのは確実な状況ですし、実際来年2023年の早い段階には活動内容の見直しを実施する方針です(活動をやめるわけではありません)。

しかし、私はミスターオブザイヤー日本大会ファイナリストとして、「自分らしい生き方を追い求めることの素晴らしさ」を体現しました。この経験を次の世代に伝えるという新たな仕事に取り組むことになり、その中にバルーンを組み込む方向です。

風船を通して得られた貴重な経験を子どもたちや若者へ…

私にとっての「新たな人生」のスタートになります。

「新たな人生」…

JR九州のあの豪華列車「ななつ星in九州」の行き先表示は「長崎」でも「鹿児島中央」でも「由布院」でも、はたまた「博多」でもなく、「新たな人生」だそうです。乗車するのに最低60万円はかかるといわれています。

しかし、この「ミスターオブザイヤー2022」への挑戦、「ななつ星」の60万ほど費用はかかりませんでしたが、それに近いものがありました。しかも幕張メッセの大舞台に立つという貴重な経験のみならず、たくさんの出会いがあり、終わった後も思いがけないバルーンシャワーで風船と紙吹雪にまみれ、東京ディズニーシーではたくさんのシャボン玉に包まれました。

加えて、来年2023年はファイナリストとしてではなく裏方として、この「ミスターオブザイヤー」、さらに「ミセスオブザイヤー」に関わっていくことになります。言い換えれば、「自分らしく生きるためのお手伝い」「それぞれの華を咲かせ、はじけさせる手助け」をしていくことになります。それもまた「新たな人生」の一環になるでしょう。