私の風船に対するこだわり

こんにちは。

最近、バルーンアートというと、細長い風船の方が主流になっている。細長い風船は表現方法が多様にわたり、無限大の作品を創り出せる。

しかし、その主流はキャラクターだったりする傾向が多い。いかにそれに近いものをつくるか…

こうなると手先の器用さがものを言う。

正直言う。

おそらく私は、日本で風船に携わる人たちの中で、一二を争う不器用さではないか。

2013年の春ごろの話。私が鬱に苦しんで、ヘリウムガスは払底状態が続き、引退を真剣に考えていたころのことである。私は「職業適性検査」なるものを「職業センター」で受けてみた。すると…

手先の器用さが求められる仕事には不適

との判定が出た。バルーンデコレーターは「職業として適していない」という結論になったのである。しかも私は自閉症の傾向があり、コミュニケーション能力にかなりの問題があると診断されている。それも先天的なものに原因があり、加えて両親は子供の人生に自分たちの価値観を押し付ける傾向のある「毒親」。「アダルトチルドレン」の傾向もあるといわれた。

手先が不器用、自閉症傾向(=発達障害)、アダルトチルドレン…

ありとあらゆる悪条件を抱えていたことになる。

そのような悪条件をどうして克服できたのか…

「好き」という思い。

ただそれだけである。

そのような私が創り出す風船の作品、一定の傾向があるように思える。

三次蔵プロジェクトの作品たち

三次蔵プロジェクトの作品たち

これは2007年から2016年まで10年続いた「三次蔵プロジェクト」での私の作品。リンコルーンを使ったり、ツイストバルーンを使ったり、いろいろやってみた、特に初期は。2015年はバルーンドレス制作にチャレンジした。そして今年…私は丸い風船で勝負した。

風船の持つ暖かさ、優しさ…これを思う存分生かす作品に今年は仕上げた。大正初期建築の廃屋(今後リノベーション予定)を風船でまるごと飾ってみた。使った風船は16インチと11インチのラウンドバルーンのみ。そのうち11インチはすべてドット模様のバルーンにした。そしてこれに途中から6インチのハート(ライブで私がスパークさせたスパークバルーンのハート)とツイストバルーンで作ったパラソルを加えた。

ツイストバルーンのパラソル

ツイストバルーンのパラソル

パラソルは建物の外に括り付けた。

11インチのドット模様入りバルーン kimg3757v

11インチのバルーンは天井に飾ってリボンを垂らした。

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圧巻は16インチのバルーンを高さをバラバラにして浮かせた作品。

半透明とそうでない風船を交えて、高さをバラバラにして浮かせた。

さらにイベントの所々でスパークバルーンをはじけさせ、1回あたり約60個、合計300個の小さなハートの風船が舞い降りたり、舞い上がったりした。

舞い降りた風船とハイポーズ

舞い降りた風船とハイポーズ

風船が舞う瞬間、子供たちも大人たちも目を輝かせた。

そして…

クライマックスのバルーンリリース

クライマックスのバルーンリリース

10年分の想いを乗せて舞い上がる

10年分の想いを乗せて舞い上がる

バルーンリリース。

奇跡的にその瞬間だけ雨が止んだ…

これらの作品を通して、私が何を言いたいのか…

そう、これらの作品はギャラをいただいて制作したものではない。一種の芸術表現である。

それゆえ、私が一番表現したいものを創り上げた。

私が風船を通して表現したいもの…それは

風船の持つ楽しさ、美しさ、そして華やかさをそのまま表現し、それに接する人たちにいつまでも心に残る幸せな思いをもたらしたい

ということなのである。

すでに何度も私はブログなどで述べてきた。

くす玉のような存在になりたい…

その思いを私は前述した障害を克服して実現している。その思いを一冊の小冊子にまとめたのが

くまさんのげんきだま

という本。

この本については、電子書籍として配布する予定は当面ない。今勤務している会社において同じような障害に苦しむ人たちに配布し、私の体験を話す際に使う目的で制作したのがそもそもの発端。

いずれは講演の機会があるかもしれない。その際に配布する予定である。

そして、私の作品は一貫している。私が生命を吹き込むすべての風船たちには

風船の持つ楽しさ、美しさ、そして華やかさをそのまま表現し、それに接する人たちにいつまでも心に残る幸せな思いをもたらしたい

という私の気持ちが吹き込まれているのである。

 

 

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