職業、バルーンアーティスト。って胸を張って言える社会にするために…

おはようございます。

 

先日、ある高校生の方が問題提起をしてくださいました。

私も一連の議論に参加したのですが、最大の問題点は

バルーンアーティストという職業はすでに確立しているのに、その社会的認知度がきわめて低いところにある

と考えています。

 

ところで、今年の3月、すなわち熊本・大分両県が震災に見舞われる前に、私は由布院・阿蘇・久住を訪れていたのだが、その際に「ななつ星」に出会った。70万もするJR九州のあのクルーズトレインである。

クルーズトレインはJR東日本もJR西日本も準備中だそうだが、クルーズ船という概念が日本に入って30年近くたつそうである。鉄道ジャーナル2016年7月号によると、クルーズ船で旅行する市場人口は30年ほどの間にあまり増えていない、つまり市場が思ったより広がっていないという。結局クルーズ船やクルーズトレインは「ニッチ市場」の域を出ない、と論じられていた。

バルーンの市場も同じだと思う。インターネット通販でバルーンギフトは手軽に買うことができるようになり、バルーンショップは昭和の時代は東京、それも渋谷と麻布にしかなかったのが、今では日本の主な都市にはどこにもバルーンショップが存在するようになった。複数のバルーンショップが半径10キロ圏内にあるケースもある。しかし…

どこで風船を買えるのかわからない

という声がいまだに存在するのも事実である。そしてバルーンを買う顧客が予想以上に増えていない、と思う。

厳しいことを言うようだが、

バルーンアートはまだまだニッチ市場の域を出ていない

と私は考えている。

 

現実の声として、将来バルーンアーティストをめざしているとある高校生の意見をフェイスブックから引用する。

高校卒業したら就職しないといけないから職場をよく見ておけって先生が言って、私が「進学者は?」と聞いたら「大学卒業後どんな就職に就きたいか考えておけばいい」と。
「私バルーンアートやるんですけどー」って言ったら「そっか!君はバルーンアートやっていたよね!じゃあ将来はプロの道に進んで、もしかすると有名になったりするのかな!?」→「いやいや有名にはww」

そしたら友達が
「まずバルーンを職業にしている人がいるかどうかだよね。」って。

まだまだバルーンって本当に知られていない。
私は同級生に「それが職業になるかどうか」
「無料で配っているんだから全部無料でやっている」「職業にしている人がいない」って言われてきました。

大人になってもっと素晴らしい作品を作って皆さんに見てもらえるようになろう。

 

 

エミリーズバルーンアートビジネススクールの第1回が開催されたのが1995年。

それまでにもわずかながら様々なバルーンアート作品が存在した。

この高校生は、私が制作した作品の作品集をじっくりと隅から隅までご覧いただいた。

その中には1997年や1998年の作品も含まれていた。

「私が生まれる前からこのような作品を作り続けてきたのか…凄い」と一言。

私はとてもうれしかった。

 

にもかかわらず、バルーンが「ニッチ産業」の域を出ていないという現実。

バルーン人口は確かに増えたが、市場はそこまで大きくなっていないという現実。

 

私は再就職活動に取り組んだ際、とあるエージェントの人にこう言われた。

「そのキャリア、ホストを20年近く続けたのと大した違いはない」

とてもショックだった…というか、私にとってこの言葉は重石になってしまい、一時はキャリア白紙化も考えるほどだった。結局今の会社が旧Y’s Dreamを引き取る形で私はその会社に就職し、こうしてバルーンアーティストであることを再び始めた。しかも、障がいのある人たちにバルーンを通して自信を身に着け、社会参加のきっかけをつかむという新たな使命を担ってである。

 

今、その思いを現実の形にするために、会社の中で準備を進めている。

バルーンの市場を拡大することもその中で重要になっている。潜在需要の掘り起こし…

私がこれまでの推移の中で実感してきたのは

バルーン人口の増加に市場の拡大が追い付いていない

という問題。バルーンが「ニッチ市場」のままであっては、

供給過剰

といわざるを得ない。だから私は撤退という選択を一度した。それでも私は結局バルーン業界に戻ってきた。本当に風船が好きだからである。

 

この度、この高校生が問題提起をしてくださったこと、大変意義深いと私は思う。

「職業、バルーンアーティスト」と胸を張って主張できる人がこれまでより多くなっていくことがニッチ市場からの脱却につながるのではないか、と私は思っている。

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