素晴らしき仕事、しかし…

こんばんは。

今私は、大分県別府市にいます。

今日は一日空と海と山と紅葉を見て、温泉に入って、ゆったり過ごしました。

昨日の仕事はまさに、Y’s Dreamのバルーンウェディングの集大成…

自分の目指している方向がはっきりしました。

しかし、今、それを実現させるための道具は、日本では手に入りません。

ヘリウムガスが日本国内で入手困難になっています。

正直言います。

私の目指しているもの、それを実現させるためには、ヘリウムガスは必要不可欠です。

ヘリウムガスがないと、風船の持つ魅力は半減します。

今日、一日中私はとよの国の青い空を見て、別府の湯に一日つかっていました。

私がしていること、それはほんの一瞬です。

しかしその一瞬が、人生の中でいつまでも残る最高の思い出として残るのです。

その瞬間のために、私は何時間、場合によっては12時間もの時間をかけるのです。

私は風船に生命を吹き込むことを生業としています。

もちろん空気だけでもできることはあります。

しかしそれを最大限引き立たせるのは、やはりヘリウムガスです。

それができなくなるかもしれない今の状況、今後のことは神のみぞ知る世界です。

しかし、私はとよの国の青い空を見て決めました。

ヘリウムガスが工業用・医療用以外の目的に使用されなくなり、風船を膨らませるのに使われなくなったときは、もうこの仕事をきっぱりやめようと。

ヘリウムガスで浮かぶ風船が1個¥10000もするような貴重品になったり、ヘリウムガスが風船用として全く流通しなくなるような事態に至った場合は、私はこの風船の仕事から身を引くつもりです。

そのような事態になったら、結婚式や式典などでのバルーンリリースは全く行われなくなり、他の演出に代替されることになるでしょう。

現状では、その可能性がないとは言い切れません。

私は大空を、自然を、そしてありふれた日常を最高に幸せに満ち溢れた空間に変えるだけの力がありますし、これまで数多くの感動を作り上げてきました。これからもたくさん作り上げていきたいことに変わりはありません。

しかし、そのためにはヘリウムガスの力がどうしても必要なのです。

それが不可能になったときは、あっさり身を引くのが賢明だとまで考えています。

本当に風船が好きで私は10年以上、続けてきました。

今年の初夏に病に倒れ、転職を考えてもなお、やはり自分には風船しかない、と考え、再始動を図りました。

そして自分の今後目指すべき方向を見つけ、それに向かって歩き出していたところでした。そこにヘリウムガスショックが襲ったのです。

この風船の仕事につけて私は幸せでしたし、誇りに思っています。

そしてヘリウムガスさえあれば今後とも続けていきたいのは事実ですし、そうするべきです。

しかしヘリウムガスがないと自分の目指すべきところにたどり着かないのが事実です。

本当に今後ヘリウムガスは風船に使うことができなくなってしまうのかどうか、現時点では全く分りません。

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青い空に無数の風船が舞い上がる光景…

私はこの光景をこよなく愛し、あこがれ、自らの手で作り上げてきました。

一体どれだけの風船が私の手で生命を吹き込まれたのか、数えきれません。

その光景が多くの人の心の中にいつまでも刻み込まれているのも紛れもない事実です。

大空を舞う風船…どれだけの人がこの光景に心ときめかせたことでしょうか…

その光景が過去のものとなってしまった時、

私は風船を膨らませる手を置くことにします。

風船を愛するが故の決断です。

そうならないためにも、関係各所、特に政治は最大限の努力を図るべきです。

2012年11月18日

豊後の国、別府鉄輪にて

Yohei Kajikawa

 

13年前の今日、私は石見交通というバス会社を去りました。

この別府という町は私にとって、とてもゆかりがあります。

大学生としての私

バス会社従業員としての私

そして、

バルーンアーティストとしての私…

この別府という町は、そのすべてとかかわりがあるのです。

ヘリウムガスが再び風船を膨らませるために使えるようになり

私が再び風船に生命を吹き込むことができることを

別府の星空に祈りながら…

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